鈴木音生 スポーツクライミング・リード 名古屋・愛知; アジア選手権リード優勝、初のアジア王者
鈴木音生 スポーツクライミング・リード 名古屋・愛知; アジア選手権リード優勝、初のアジア王者 【注目選手】スポーツクライミング 鈴木音生 アジア競技大会 愛知・名古屋 【注目選手】スポーツクライミング 鈴木音生 アジア競技大会 愛知・名古屋 愛知・名古屋開催のアジア競技大会の注目選手をシリーズで紹介。第3回は、スポーツクライミングのリード種目を主戦場にユース時代から頭角を現し、掲げた目標を着実に達成しながら成長を続ける鈴木音生に迫る。 アジアのトップアスリートが一堂に会するアジア最大の総合スポーツ大会・アジア競技大会が32年ぶりに日本で開催される。 愛知・名古屋を中心に、9月19日〜10月4日に開催される「第20回アジア競技大会」は、43競技でアジアの頂点を懸けた熱戦が繰り広げられる。 スポーツクライミングでは、東京2020オリンピックで競技種目に採用されて以来、次世代の才能あふれる選手が次々と力を伸ばし、強豪がひしめく日本勢もそれぞれがしのぎを削っている。男女各3種目が実施されるアジア競技大会でも、日本勢の複数メダル獲得に大きな期待がかかる。 そうした中、リードを主戦場に2023年から国際大会に参戦し、アジアユース選手権でジュニア男子のリード、ボルダー、複合の3冠を達成。その後、シニアでも躍進を続け、今大会の優勝候補のひとりとして注目される21歳の鈴木音生(ねお)に迫る。 鈴木音生プロフィール - 名前:鈴木音生(すずき・ねお) - 生年月日:2004年7月21日 - 出身地:静岡県焼津市 - 競技種目:スポーツクライミング・リード - 主な成績:ワールドカップ(2025年リード・インスブルック優勝)、アジア選手権(2026年リード優勝)、リードジャパンカップ(2026年優勝)、世界ユース選手権(2023年リード2位)、アジアユース選手権(2023年ジュニア男子リード、ボルダー、複合3冠) 1年半の離脱期間で磨いた体改革と動きの進化 鈴木音生が主要国際大会で最初にタイトルを獲得したのは、2023年10月のアジアユース選手権(中華人民共和国・重慶)でのリード、ボルダー、複合の3冠だった。同年2月のリードジャパンカップで2位に入り、初の表彰台に立つと、6月から代表メンバーとして国際大会シリーズ「ワールドカップ(W杯)」に初参戦。8月の世界ユース選手権ではリードで準優勝を果たし、国際舞台で経験値を高めたシーズンとなった。 しかし、その上昇気流の矢先、2024年シーズンは怪我の影響により大会に出場できず、代表から離脱を余儀なくされた。パリ2024オリンピックシーズン、同年代の吉田智音(さとね)や小俣史温がW杯表彰台に上り、安楽宙斗(そらと) がボルダー&リード複合でオリンピック銀メダルの活躍を見せる中、鈴木は地道に体づくりに励んだ。 この離脱期間について鈴木は、「強くなれる期間を多く与えられたことで自身の弱さと向き合うことができ、単に強さではなく登りの質や安定感といった面で成長の1年になりました」と自身のインスタグラムで振り返っている。 その後、約1年6カ月を経てジャパンカップで試合復帰。2025年にW杯に戻ってくると、復帰戦で2位、3戦目で念願の初優勝を飾り、シーズン6大会中5大会で決勝進出という安定した成績を残し、年間総合はキャリアベストの4位。同年、シニアで初参戦となった世界選手権では5位入賞を果たし、飛躍の1年を締めくくった。 怪我からの復帰シーズンで自信に繋がる結果を残した鈴木は、「怪我をきっかけにフィジカルトレーニングを始めて、今季の成績に(良い意味で)影響している。シンプルに筋力が付いただけでなくて、対応できる動きの幅が広がったと思います」と、地元静岡のスポーツ紹介チャンネルでその進化について語っている。 2026年初戦のリードジャパンカップでは、2大会連続2位から脱却し、悲願の初優勝を達成。4月のアジア選手権では安楽ら強豪日本勢に加え、リード世界王者のイ・ドヒュン(大韓民国)らを破り、初のアジア王者に輝いたことで、9月のアジア競技大会リード種目の日本代表入りが内定した。 鈴木音生「原動力は勝ちたいという意欲」 「昔からワールドカップで勝つっていうのは自分の中では大きな目標で、それに向けてひたすらやってきた。世界で勝つっていう強い意志がここまで連れてきてくれたかなと思います」(静岡のスポーツ紹介チャンネルより) そう語る鈴木の成長を後押ししているのは、その勝利への意欲だけでなく、同年代のライバルの存在も大きい。世界屈指のクライマーを輩出している日本は、リードW杯国別年間ランキングで4年連続1位の座を守り続けており、2025年からはその強豪メンバーのひとりとして鈴木も名を連ねている。 今年3月のリードジャパンカップで初優勝を果たした鈴木は、小俣史温や安楽宙斗とともに表彰台に立つ写真を自身のインスタグラムに投稿し、「高め合える仲間にも感謝」と言葉を添えた。 2028年のロサンゼルスオリンピック(LA28)では、ボルダー、リード、スピードの3種目がそれぞれが独立した種目として実施される。鈴木はOlympics.comのインタビューで「ボルダーとリードが分かれたことで、(オリンピック)出場の可能性もあると思っているので、世界選手権とその先のオリンピックに向けて頑張っていきたいと思います」と決意をにじませた。 スポーツクライミングのオリンピック出場をかけた戦いは2027年から本格的に始まるが、そのプレシーズンとなる今季は、鈴木がW杯でさらなる勝利を重ね、初出場となるアジア競技大会でその存在感を示せるかが注目される。 アジア競技大会のスポーツクライミング男女各3種目(リード、ボルダー、スピード)は、9月29日〜10月3日に名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)を会場に実施される。 【アジア競技大会 注目選手紹介シリーズ】